良い会計事務所の定義を簡単に言ってしまうなら、「依頼者の立場に立って仕事をしてくれる」事務所です。今の時代に相応しい表現をするなら、「依頼者を消費者として認識している」ことです。このように言葉にしますと簡単そうですが、会計の世界では実際はそうでもありません。なぜなら、会計という仕事が一般の仕事とは異なる職種だからです。
例えば、消費者という言葉が似つかわしいスーパーなどでは消費者のニーズを掴むことはとても重要です。それなくしてお店が繁盛することはあり得ません。その視点が会計業界には欠けている傾向があります。
理由は、税務に関することを「指導する」という意識があるからです。依頼者を「指導する」という意識の人は依頼者を消費者とは思いません。ですから、良い事務所の選び方は、依頼者を消費者として認識しているかどうかを見抜くことです。
消費者という言葉をさらに進めますと、お客様という表現になります。この表現を使うならもっとわかりやすくなります。つまり、顧問をしている依頼者をお客様として認識しているかどうかがポイントになります。
ですから、お客様として接してくれているかどうかを判断材料にすることが、良い会計事務所の最良の選び方です。
例えば、スーパーではお客様の要望を知る努力をします。また、質問や疑問にはすぐに対応してくれます。一番基本的なこととしては、呼称を必ず「さん」にします。このような細かいところにこそ、その事務所の本当の意識がにじみ出てきます。
そうしたところを確認することが大切です。